八ヶ岳連峰(ほぼ)全山縦走の備忘録 [後編]


9/25〜27 2泊3日の縦走記録

「今年やりたい事のひとつが八ヶ岳縦走なんだよね」今回のバディでもあり、友人のメタル大好きな麦ちゃんにポロっと話したことがきっかけで、2人で行くことに。麦ちゃんとは今年北岳や浅草岳、ナイトハイクで古賀志山も一緒に登った仲で、歳もほぼ一緒で心強かった。そんな僕らの八ヶ岳縦走記録の後編

text by shiro kojima(kawarakidake)

今回のハイカー:shiro kojima(kawarakidake)、麦ちゃん(metal hike)

前編はコチラ>>

2022 9/27 (火)
 AM4時にiPhoneのアラームで起床。前日の18時半からの文字通りの爆睡。外はまだ真っ暗だが、小屋の窓から外を眺めると雲海と星空が見えた。「あ、これめちゃ良い天気のやつだ」ふと麦ちゃんを見ると既に何かゴソゴソしている。よく見ると朝4時起きで、20秒後には前日の夜、小屋からもらった朝食の弁当を食べていて、この人プロかよと思う。昔ムツゴロウさんのテレビ番組で、「起きてすぐにご飯を食べる動物は地球にはいない」と言っていたのを思い出したが、ここにちゃんといましたよ。しかしよくよく考えると確かに先に食べておいたほうが、吹きっさらしの風の稜線で食べるよりも遥かに美味しいかもと思い、僕も頂く。ご飯1合以上はありそうな、盛り盛りのガッツリしたラグビー部の弁当みたいで美味しいのだが、さすがに朝イチで全部は無理だった。

 AM5時前に出発、夜明け前でまだ暗いのでヘッデンを装着し赤岳山頂直下の稜線を降る。途中いくつかのクサリもある、なかなかの急勾配の道だったが、雲海に太陽が当たり始める景色は圧巻だった。思わず写真や動画を撮りながらなので、なかなか進まない。

その後、無事に山頂直下の赤岳天望荘を通過し、雲海を眺めながら横岳〜硫黄岳へ。この日も北アルプス稜線が見えた。硫黄岳は今年の夏も登ったが本当に良い山で僕も大好きな山だ。赤岳や権現あたりと比べると比較的穏やかで、爆裂火口のビジュアルに反して実はとても整備されて歩きやすく、振り返ると主峰赤岳、横岳、権現岳、阿弥陀岳〜これから登る東西天狗岳や北横岳、遠くに蓼科山も見えるナイスポジションに鎮座している。硫黄岳の山頂が気持ち良すぎたので2人でダラダラと過ごした。

↓ 初日の宿泊地、赤岳頂上山荘からの日の出&雲海

↓ 真っ赤に燃える赤岳ではなく横岳。嗚呼美しいよキミ

↓  要塞感漂う、赤岳天望荘。無線、携帯のアンテナだろうか? ストイックでメカニカルだけどオールドスクールな山小屋の外観でイケてます

↓  インスタで使えそうな写真撮ってもらう奴

↓  ヤマザキパンのコンテナが赤岳天望荘(標高 2,722m)、立派に第二の人生を歩んでいます。非常にカッコ良し

↓  動画撮影に余念が無い麦氏。感動して涙を流していそうなタイミングなので、敢えて声は掛けないのが漢のマナー

↓ 雲海と横岳

↓ とりあえず笑っとけ

↓ 横岳登頂で歓喜する麦氏

↓  (左から)横岳、赤岳、権現岳、阿弥陀岳の八ヶ岳のスーパースター軍団と奥に南アルプスも。無事通過し、安息の地、硫黄岳から眺める

↓  まるで名クライマーの下山後かのようなスタイルを出してる麦氏w よく見るとGRIVELのヘルメットに瓦奇岳のプロモステッカーを貼っているではないか。さすがは押さえるところは押さえている漢だ

↓ あぐらシリーズ

「赤岳が頑固親父なら、硫黄岳は母のような存在なのか、阿弥陀は寡黙な長男、権現はヤンチャな次男で、編笠はタラちゃんみたいな末っ子だなとか、天狗は利かん坊の双子だな」とかそんな適当な事を麦ちゃんと話しゲラゲラ笑いながら頂上で休んだ(完全に山ヤのおっさんの会話の完成形であるw)。

↓ 硫黄岳の裏側の爆裂火口。烈火の如く怒りのビジュアルだが、逆に火口に近づけないように整備されているので、実は歩きやすいルートだ

 その後、東天狗岳を通過し(西天狗は時間ないのでスルーしました)いくつかのアップダウンを繰り返し、11時頃、根石岳山荘で昼飯を食べる。僕はここでクラフトビールのジョッキを注文し、美味すぎてこの旅2度目の溶け。あとは自炊でカップヌードルのスーパー合体シリーズ 欧風チーズカレー&味噌の期間限定ものを食べた(これもメチャ美味)。ふと横にいる麦ちゃんをみると、小屋で注文した、スタッフ特製の美味そうなカレーを食べていて、同じく溶けていくのが確認できた(笑)。体も冷えきっていたので、迷わず小屋で昼飯を速攻でオーダーする麦ちゃんはERIC B & RAKIMばりに迷いなくPAID IN FULLしていた。ちなみに根石岳山荘の小屋番の方がとても優しく、小屋内で自炊してOKですよと神のお許しを頂き、土間の場所をお借りしました。(寒かったので本当にありがたい)。ここで八ヶ岳全山の稜線の描かれた手拭いをゲットする。ワインも銘柄などかなり充実していたので、いつかこの小屋にも泊まってみたい。

 根石岳山荘出発後、すぐにガスが出始め眺望はなくなり、本格的な北八ヶ岳の樹林帯に入る。途中ですれ違ったハイカーの方に、にゅうの近くでヒカリゴケを見たよと教えてもらう。ヒカリゴケを見たことがない我々も、木の根っこ付近を探しながら歩いた。その後何となくこれかなというコケを見つけるも、これがヒカリゴケだったのか今でも確証はない。

 道中、なぜか麦ちゃんとTHA BLUE HERBの話で盛り上がる。僕が「路上」が好きだと言ったら、麦ちゃんは昔、栃木にブルーハーブを対バンのゲストで呼んだことがあると言っていて驚いた。まさかこんな八ヶ岳の樹林帯でメタルマニアと「路上」の話で盛り上がるとは思っていなかったので嬉しかった。

 そして無事に本日の宿泊地である、白駒池横の青苔荘に到着。受付後テントを張り(この日は初張りのSAMAYA RADICAL1)、ビールと自炊の夕飯を食べ(またまたカップヌードル)疲れていたので即就寝。その後バッタバタの大雨にふられるが、今更どうにも出来ないので無視して爆睡する。

↓ にゅうを経由しました。名前がポケモンみたいでなんか良い

↓ インスタで使えそうな写真を撮ってもらう奴

 ヒカリゴケかわからない謎苔

↓ 白駒池。ボートにも乗れるとのこと

↓ テント場の青苔荘。この日はビール2缶、チューハイ1缶、ワイン小瓶の補給で大変お世話になりました(←全部酒じゃねーかw)

↓ MYOGで作った紙袋っぽい形のダイニーマ素材の袋。適当になんでも調理関連の道具をポイポイと突っ込んで使ってます。地べたに置いても自立するので、スタッキングなど、めんどくさがりな自分にはとにかく楽。今後瓦奇岳で販売するかも

深夜寝ていると、スリーピングマット下からチャプチャプと音が聞こえて起きた。案の定テン場の水捌けが悪く、テント下にも水が回り込んでいるようだ。外を確認するとテント周囲が深さ3cm程度の水たまりに(えっこれやっちまったか!?)。しかしSAMAYAの「RADICAL1」テントに浸水は一切無し。改めてこのテントの高い防水性に驚いた。このテントは今後もアルプスなどここぞの場所で使用していく予定です。

SAMAYA RADICAL1 コチラの動画で驚きの防水性を確認できますよ


2022 9/28 (水)
 AM2時半起床。雨は上がっていたが外は勿論真っ暗だ。いそいそとテントを撤収し、小屋前の自炊専用のタープで朝ごはん(ビバークレーションのお茶漬け)を掻っ込む。その後荷物をパッキングし、3時半に青苔荘を出発。
ちなみに今日はバディの麦ちゃんとは別行動しました。本来の予定通りの北八ヶ岳のロープウェィで下山する麦ちゃんと、やっぱり全山縦走したくなり予定変更した僕で歩行時間とゴールが異なる為です。

 出発後30分程歩いて真っ暗闇の麦草ヒュッテを到着。特にやることもないのでそのまま茶臼山〜縞枯山を登る。道中、BLACKDIAMONDのヘッデンのバッテリーがみるみると弱っていくのが確認できたが、時間が経つにつれ段々と空が明るくなって難を逃れた。やっぱり予備のヘッデンバッテリーは何があっても持ってきておいた方が良いなと思った。

 縞枯山の展望台から北横岳までのルートは今年の3月の残雪の時期に来た場所なのでよく覚えていたけど、この日はガスで眺望はゼロ、そのまま突き進んだ。その後縞枯山荘〜坪庭の(晴れていれば)絶景のルートを経由し、北横岳へ駆け上がるも眺望は無し。この日は完全にピークハント登山と化していた。北横岳からはかなりガッツリした下りで500mほど下る。その後、晴れていたら気持ちいいだろうガッスガスの林道を歩くも前日夜の雨で、道はグチャグチャで最悪。お気に入りのSPORTIVA"TX4"の靴もすっかり泥んこで完全にインソールまでズブ濡れだ。

↓ まるで地球最後の日のような静けさの茶臼山〜縞枯山。大規模な縞枯れ現象は縞枯山周辺の北八ヶ岳で見られる日本でも珍しい光景です。因みにこの日のハイカーは蓼科山までゼロでした

↓ 北横岳ヒュッテ。風情のある小屋でコーラでも買おうかなと思ったが、この日はお休み。空腹だったが、まだ登れる体力があった

↓ 北横岳北峰。ご覧のとおりガスで眺望ゼロ(晴れていればここから超絶綺麗に蓼科山が見えます)

↓ 北横岳から亀甲池の道は修行のようなガッツリした下り

↓ 北横からの下山道後半。北八ヶ岳らしい美しい森が続きます

↓ めちゃくちゃ良い場所のはずなのに無人の亀甲池。真夏なら飛び込みたい(怒られると思いますw)が自粛

 その後の蓼科山への登り返しがやっぱり個人的にはこの旅一番でキツかった。ここにきて北横からの下り以上の標高差の登り返しで、途中心が折れそうになる。空腹でたいした力も出ず、道も一歩一歩足上げの高さを求められるルート。3日分の疲労もあり思ったように足が上がらずかなりのペースダウン。蓼科山荘で昼食をとることを目標になんとか力を振り絞った。途中に枯れた沢の大きい石がゴロゴロした登山道で、マーキングも少なめでルートを外してしまい10分くらいのロス。その後もしつこいくらいの急登が続き(写真撮る余裕は無し)、なんとか蓼科山荘にたどり着くも山小屋はまさかの休業日。呆然とする。仕方ないので休まず蓼科頂上ヒュッテまで登る。ちなみにこの日朝の出発から蓼科山荘に着くまで誰ともすれ違っていなかったが、蓼科の登山道に入ってからは沢山のハイカーさんとすれ違う。やはり蓼科山はとても人気なんだと思った。

 その後頂上ヒュッテまで登り、間髪入れずに彩りチキンカレーセット(サラダとスープ付きで1500円)とコーラ(500円)を速攻でオーダー。なかなかの料金だが最後だし、奮発した。コレがメチャクチャ美味くHPが全回復するのが自分でもわかったw その後ガッスガスの蓼科山頂まで歩き、一応写真を撮る(最早ただの記録)。勿論山頂からの眺望は一切無しだ。(※ちなみに蓼科山山頂は広くゴツゴツした岩が特徴の山で、晴れていれば360度抜群の眺望。浅間山〜北アルプス〜中央アルプス、勿論八ヶ岳の主脈がバッチリ見える僕も大好きな山です。頂上の小屋は夕飯の時に小屋番の方がピアノを弾いてくれて、こたつ完備でご飯も激ウマ、泊まりも最高の小屋なんで本当にオススメです!)

↓ 蓼科山頂横の蓼科山頂ヒュッテ。山頂を全無視、キャッシャーに直行じゃ

↓ 激ウマ、彩りチキンカレーセットとコーラ(優勝飯)

↓ 蓼科山頂。もはやホワイトアウト状態

 その後、最後の下りの七合目登山口までありったけの力を出して、約1時間で下山しました。7合目登山口では予定通り麦ちゃんが車に乗って待っていてくれたので助かった。その後車内でTBHの"路上"をリピートし、今回の山行の思い出話をお互いにした。途中に寄ったお気に入りのそば屋さんで、ニシンそばを食べて(ここも本当に美味しいのでオススメ)観音平まで車を走らせ、この旅は終了した。

↓ 全山縦走のゴール地点 蓼科山7合目登山口

↓ 蓼科にある蕎麦屋さん「小梨の木の下」のニシン蕎麦が染みた(優勝飯その2)


[最後に]
 自分の日記にでもこっそり書いとけよってな稚拙な文章ですが、初の八ヶ岳全山縦走で感慨深く、記録として残しておかないと自分でも忘れそうなので、備忘録として今回テキスト化しました。こんな文章でも誰かの役に立ってくれるのかな?、もしそうなったら嬉しいです。因みに全山と言っていますが、阿弥陀、西天狗、中山、丸山はスルーしたので厳密には全山ではありません。下山後もうしばらく八ヶ岳はいいかななんて偉そうに思っていましたが、既にまた行きたくなっている自分がいます。次に行くなら赤岳鉱泉のステーキを食べて、登っていない阿弥陀岳、真教寺尾根をコースに絡めて行きたいなと思います。(コース次第では本沢温泉 雲上の湯も)ではまた!